I'm crazy about you.
『少しだけ…時間、もらえないかなぁ…』
消えそうに小さな声。
七海から紡がれた言葉に衝撃を受ける。
「それ、どういう意味だよ」
『あ、のね…今話してもなんか…上手く言えない気がするんだ。だから…』
七海から俺を拒否するみたいな言葉。
「なんだよそれ。こっちは時間作って来てんのに」
だからすぐに戻ってこい、と。
なかなか会えずにいた事を思い出して欲しかった。
それでも、七海はごめんと謝るだけで。
こんなの、はじめて。
俺が会いたいと言うのを拒否するなんて、長い付き合いの中ではじめてだった。