I'm crazy about you.
「七海?」
呼び掛けると俺をジッと見上げる大きな瞳。
「あ、のさ…」
「やだっ…もっとギュッとしてよ」
引き離そうとする俺にギュッと抱きついて甘えてくる。
俺は七海の身体をもう一度抱き締めて、満足そうに俺の胸にしがみついてる七海の髪に、そっと頬を寄せた。
ついさっき、何度も抱いた(お世話になった)想像の七海と実物は違うと感じたばかりなのに、今の台詞はちょっとヤバイ。かなりキた。
こいつって、こんなに可愛かったっけ?なんて思ったりもして。
「あ、のさぁ…いろいろ話さなきゃなんねぇのは分かってるし、ちゃんと謝んなきゃなんねぇのも分かってんだけど……ちょっと俺、我慢できそうにねぇんだけど…」
「京輔?」
俺にギュッと抱きついたままの七海が、必死に俺を見上げてくる。
その額に唇を寄せれば、七海は恥ずかしそうに身を捩る。
今はもう、何もかもが俺を煽る材料にしかなかなくて。