I'm crazy about you.


「今すぐ抱きたい」

耳許に唇を寄せれば、七海の身体が驚くほどに跳ねた。
真っ赤になって逃げ出そうとするのを、腰を抱き寄せて阻止すれば、困ったように彷徨う視線も可愛くて。


「いや?」

問い掛ければ首をブンブン横に振って、俺の胸にギュッと抱きついてきた。




「なら車、乗って?」
「あ、あの…」
「ん?」
「あの、ね…一度家に戻っちゃダメ?」

相変わらず困ったように彷徨う視線は可愛かったけど、それを聞いてやる訳にはいきそうにない。



「ダメ。待てない」
「えー、だって…だって困る…」
「ん?なんで?何が困んの?」

頭にポン、と手を乗せて、七海の瞳を覗き込む。



「だっ、て……下着が…」

目を合わさずに真っ赤な顔でゴニョゴニョと口籠もる七海の小さな声。
本人は真面目に言ってるんだろうけど、やっぱり俺には可愛いとしか思えなくて。



「どうせすぐ脱ぐから平気だって」

ニヤッと笑った俺に、七海が真っ赤になってばか、って呟いた。



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