I'm crazy about you.
「掃除、してねぇから汚いけどごめんな」
玄関を開けた京輔はそう言いながら私の背中を押した。
やっぱり彼女なら、それくらいはしてあげるべきだったかな、って少し自己嫌悪。
でも中に入れば、散らかっている訳でもなくて、寧ろ生活感の全くない部屋に驚いたくらい。
前のアパートの時は、引っ越した後で一緒に可愛い雑貨をいっぱい買いに行ったっけ。
でもここは、忙しいから全部業者に頼んだ、って言った京輔の言葉が寂しくて、なんだかもう、二人の空間って感じじゃない気がして。
思えば私は自分の事ばかりで、京輔の為に、と考える事をしていないと気付いた。
嫌われる前に気付いてよかった。
まだこれから、いろんな事できるよね?