I'm crazy about you.
「いいじゃん、今更」
「やだ…あっち向いてて…」
「さっきいっぱい見たのに?」
「そーゆー事言わないで!」
真っ赤な顔をして枕で俺を攻撃してくる。
手を伸ばした隙に布団が落ちて、胸が丸見えなのは気づいてないみたいで。
なんでか必死な姿が、本当に可愛いと思えた。
「はいはい…枕で見えないから」
それに顔を埋めて、片手をヒラヒラと振って見せる。
絶対だよ?って念を押しながら、七海がベッドのスプリングを軋ませた。
「あ」
「へへ…絶対見ると思った」
カバンの中から携帯を取り出した七海は、ベッドの下に脱ぎ散らかしてあった俺のTシャツを着て、俺の行動を見抜けて嬉しそうに笑っている。
当然期待したものは見られなかったんだけど、必死な七海の姿も、ブカブカのTシャツから出ている白い肌も、それは裸体なんかよりも数段にえろいシロモノで。
そんな無自覚な行動に、俺はニヤリと笑みを浮かべた。