I'm crazy about you.
「…行くって言ったの失敗だったかも」
「京輔…」
「ごめんな…」
「…なんで謝るの?……私だって、したかったんだから謝らなくていいんだよ?」
恥ずかしい事を言ってるのかもしれないけど、いつもなら躊躇する事も、きちんと言葉に変えて想いを紡ぐ。
「七海もえっちしたかったんだ?」
「イチイチ確認しなくてもいいでしょー?すっごい恥ずかしいのに…」
京輔の莫迦、って身体の前に回る腕をペチッと叩いた。
「悪ぃ……けど、ありがとな七海」
ちゅっと髪にキスされて、私はコクン、と小さく頷いた。
「さっき俺が謝ったのは、今までの事」
「今までの、事?」
「…余裕なくてほっぽらかしにしてごめん。まだ俺の事、好きでいてくれてありがとな…」
「京輔…」
「これからはちゃんと大事にする。だからこれからも…よろしくしてくれる?」
耳許に唇を寄せながら喋る京輔。
その低くて、情事後の甘さもある京輔の声に、それだけでも私はゾクゾクとしてしまう。