I'm crazy about you.
「お疲れさまでした」
席へ戻ってみれば、さっきまでダラッとしていた瀬川さんはパソコンの画面に向かって既に仕事モード。
「お、サンキュウ」
画面から視線を外さずに、珈琲を口にする瀬川さんの横顔は、女子社員がキャーキャーいうのが納得できるいい男で。
「見惚れてねぇで仕事しろよー」
自分がいい男なのもちゃんと分かってて、私の前ではちょっとだけ意地悪だったりもするけど。
「瀬川さん意地悪じゃなかったら惚れるのになぁ」
「馬鹿言うな。俺のどこが意地悪なんだよ」
「だったら、瀬川さんの領収書が私の机に山盛りなのは気のせいですか?」
私がそう言って睨めば、よろしくな!とか爽やかに笑うから。