I'm crazy about you.
*
「まだかー」
「あと少しです!」
「早くしろよー」
「なっ…誰のせいですか誰の」
「腹減ったなぁ」
「私もですよ!お昼食べてないんですから!」
自分の仕事を終えてから、私の方を向いて頬杖をついて、あーだこーだと話し掛けてきた瀬川さんが、私の今のひと言で、ガタッと席を立ち私の腕を掴んだ。
「な、んですか?いきなり」
「なんで飯食ってないって言わねぇんだよ!」
「へ?だって聞かれてないから」
私がキョトンとそう言えば、瀬川さんはこれ見よがしに大きな溜息。
「おら、飯行くぞ」
「え、でも」
「でもじゃねぇよ。そこまでやってありゃ月曜の朝早く来てやるからいいよ」
「えーなんかやだなぁ」
「お、お前俺が最後に手柄奪おうとしてんの読んだか?」
「やっぱり!最後までやって私のハンコ押して出しますよ!もう騙されませんよ!」
私が瀬川さんを叩く真似をして手を振り上げると、その手を掴んで瀬川さんが笑った。