白と黒、そして白濁
「もしかしたらそうかもしれない。でも、もう黒と生きるって決めたの。一番最初に優しくしてくれたから。それに、黒がいなくなって悲しかった。涙が出た。それだけじゃ駄目かな……?」
「ううん、白がいいならもう聞かないよ。ただ、白みたいな可愛い女の子を置いていくやつを信用できるのかなって思っただけだから」
私はまた笑った。
「ふふっ、心配してくれたの?嬉しいわ。ありがとう」
波飛は顔を真っ赤にして後ろを向いた。
「いや、そんなんじゃないよ…
あーーー!!!!もう!早く行こ!!」
私の手を力強く引っ張って歩き出した。
「え?どこに?」
「王宮だよ。かなり遠いけど、なんとかなる。黒っていう人を片っ端からあたるしか方法はないでしょ?今は王意外に黒って名前の人を知らないから」
「………そうだね。ありがとう」
私は波飛と出会えたことが嬉しくて、波飛のささやかな優しさが嬉しくて、ずっとニコニコ笑っていた。