白と黒、そして白濁
「このこ、グランソワンっていうのね。綺麗な瞳をしているわ」
「そうなんだよ。とっても綺麗だろ?俺の愛馬なんだ。ほら、グランソワンおとなしく帰るんだ。できるだろ?」
馬はトコトコと歩き出した。
「すごいわ!頭がいいのね!」
「ああ。それよりあんた、怪我してないか?そんな身なりをしてるってことは貴族かなんかか?」
「貴族ではないわ。怪我もない。私の服、そんなにおかしいかしら?」
私は首を傾げた。私の動作が可愛いかったのか男の顔は真っ赤になった。
「い、いいいいいいや!!!!!!!!
この国ではワンピースを着るのは貴族以上の女性だけなんだ。だから気になっただけだよ」
一生懸命手を振って話す男性のことがおかしくて、私はクスクス笑った。
「あれ~兄ちゃんが珍しく女の子にデレデレしてるー」
男性の後ろから、少し若くて美人な男性が歩いてきた。