白と黒、そして白濁

「このこ、グランソワンっていうのね。綺麗な瞳をしているわ」

「そうなんだよ。とっても綺麗だろ?俺の愛馬なんだ。ほら、グランソワンおとなしく帰るんだ。できるだろ?」
馬はトコトコと歩き出した。
「すごいわ!頭がいいのね!」

「ああ。それよりあんた、怪我してないか?そんな身なりをしてるってことは貴族かなんかか?」

「貴族ではないわ。怪我もない。私の服、そんなにおかしいかしら?」
私は首を傾げた。私の動作が可愛いかったのか男の顔は真っ赤になった。

「い、いいいいいいや!!!!!!!!
この国ではワンピースを着るのは貴族以上の女性だけなんだ。だから気になっただけだよ」
一生懸命手を振って話す男性のことがおかしくて、私はクスクス笑った。

「あれ~兄ちゃんが珍しく女の子にデレデレしてるー」

男性の後ろから、少し若くて美人な男性が歩いてきた。

< 13 / 40 >

この作品をシェア

pagetop