白と黒、そして白濁
「それでいいのさ…」
「なぜそれでいいの?」
私はちんぷんかんぷんで首を傾げた。だが、この暗闇の中では首を傾げたことなど気づかないだろう。
「いつかわかる」
「今知りたいわ」
「君は自分で学び、自分で理解しなければいけないよ。人に教えてもらうのではなく、ヒントをもらうんだ。そして答えがわかった時、君は本当になる」
「なぜそんなことをしなければいけないの?黒がいるからいいじゃない。それに本当ってなに?」
「僕がそれでいいと言うのは、わけがあるんだ」
「どんな?」
「人間は欲がなければ生きれない。特にこの世界ではね。君に知りたいという欲があるかぎり、君は死ぬことができない」
「そう…かもしれないわ」