白と黒、そして白濁
7章 門出
「じゃぁ、俺はどうすればいい。父さんや母さん、兄さんを失った日から、俺の時間は止まったままだ」
鈴蘭はヨロヨロと座り込んで、嗚咽をもらして泣きはじめた。
藤が子どもを慰めるように鈴蘭を抱きしめて背中を撫でた。
みんな泣いたり、唇を噛んだりした。
某は新しい煙草を吸ってはき、沈みそうな赤い太陽を見た。
波飛はずっと唇を噛んで土下座をしていた。
こうして波飛の謝罪は終わった。
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みんなが某のテントに戻った頃、波飛はポロポロと泣いた。
「僕は…やっとこの気持ちに見切りをつけることができた。よかった。結果はどうあれ、僕はみんなに謝ることができてよかった」
「うん…」
私は波飛の背中をただただ撫でることしかできなかった。