白と黒、そして白濁
「ちょっとーなにラブラブしてるのー。
そのかわいこちゃんは僕の嫁なんだよー」
前方に鈴蘭と藤がいた。鈴蘭は昨日とうってかわってとても元気だった。
「鈴蘭!藤!どうしたの!?」
私が驚いていると、鈴蘭が走ってきて私に抱きつく。鈴蘭の後から藤が走ってくる。
「俺たちも行くよ、王宮に」
鈴蘭が私から離れて言った。
「ええ!?いったいどういうことなの!?」
「藤が傷を癒すには、時間と旅が一番だって言うから、俺もなんとなく納得して、
だったら白についていこうってなったんだよ」
「そう!私は大歓迎よ!」
「やったあ!波飛はいいか?」
鈴蘭は波飛を見た。
波飛は少し狼狽えた。先程のこともあったので、遠慮しているのだろう。
「波飛、昔みたいに仲良くしよーぜ。
俺、おまえのこと許せないけど、近寄ることはできるって思ってるから」
「そっか…うん、いいよ。ありがとう。
鈴蘭兄ちゃん」
波飛は嬉しくて涙が出てきたのか、目を拭った。