白と黒、そして白濁
「あれ……?」
鈴蘭が歩を止めた。
荷物を身体にぶら下げているグランソワンの隣に女性がいたからだ。
「某?」
私はつぶやいた。
某は気づいてこちらに手を上げた。
「おーい!あたしも行くからよろしくー」
「「「「ええ!?」」」」
全員の声がハモった。
「あの男の人たちは?」
結構意外だったので私はぽかーんとしながら聞いた。
「置いてきた。いいんだよ。あたしもいつか旅に出ようって思ってたんだから」
「はぁ……?」
「さーゆっくりいこーぜ」
某はグランソワンに乗った。
「グランソワン、某が気に入ったのね。おとなしいわ」
「そうだな。こいつは人を背中に乗せない馬だからな」
「馬なのにな」
藤が言った後に鈴蘭が付け足した。
私と波飛はおかしくてクスクス笑った。
こうして、五人と一頭で王宮をめざす旅に出た。