白と黒、そして白濁
(ここは部屋じゃない。世界だ。ここで生き、ここで死ぬ。僕たちには何も見えない)
「黒がいるのは…真っ暗で何も見えない世界?わかんない…わからないよ、黒!!」
私は立ち上がり、黒い機械を枷にぶつけた。ガンッという鋭い音とともに機械は地面に転がり、枷は粉々に壊れた。
随分と脆い枷だ。そして随分と頑丈な機械だ。
部屋のドアらしい場所から外に出た。
黒、必ずあなたを見つけ出すわ。そしてわからないことをたくさん聞くんだから。
あなたは私のために答えを教えてくれなかった。
でも、私が質問してあなたに答えたいという欲を出させれば…そうすれば、欲で死ぬことができなくなるはず……
だから私、黒といたい。