白と黒、そして白濁
2章 相棒
「なっ……!」
私は目を疑った。
外の世界は荒れ果てたスラムのような状態で、道ばたには餓死寸前の人が何人もいた。
ふと自分のいた家を見ると、今にも崩れそうな土でできたドームだった。
中は真っ白で綺麗なのになぁ…
っていうか、1つの部屋だと思ってた。
「ああー、ちょっと姉ちゃん。何か食べ物持ってないの?持ってないならその服を置いていってよ」
「……」
ボロボロでガリガリの男の子に話しかけられ、私は自分の服を見た。
白いワンピースに裸足だった。
確かにこのワンピースなら高く売れそう。
「食べ物はないわ。この服を置いていったら裸になってしまうわ」