小路に咲いた小さな花
呟くだけ呟いて、はるかさんがソファーに座ったから隣に座った。
「あら。いいの?」
視線の先には、きっと敬ちゃんがいるんだろうけど、
「いいんです。どうせ喧嘩になりますから」
「仲がいいのね」
「幼馴染みですから」
眉を潜めたままとして言うと、磯村さんがニヤニヤしながらビールとチューハイの缶を持ってくる。
「あんた大変だな」
「…………え」
なんだろう? どういう意味だろう?
何も大変じゃないですよ?
「で、どっちがいい?」
ビールとチューハイ。
ビールは何となく苦いのは知ってるけど、チューハイにはレモンのイラストが見えるし……
「どっちがいいでしょう」
「おー……初飲みか?」
「ビールは昔、親父様に飲まされた記憶がありますから、二度目?」
「じゃ、チューハイだな」
渡されて、レモンのイラストをまじまじと見つめる。
酸っぱいのかな。
「……ありがとうございます」
深々と頭を下げると、どうしたことか吹き出された。
「大変なのはお互い様か」
……磯村さんは謎の人だね。
そんな感じで飲み会は始まった。
始まってみると、なんとも不思議な感じで、何故か話の中心にいることが多かった。
これって確か婚約祝いだから、話の中心になるのは磯村さんと華子さんじゃないのかな?
不思議そうにしていたら、しばらくして敬ちゃんが近づいてきた。
「んー。やっぱり慣れない」
しみじみ顔を見ながら言わないで欲しいな。
「別に慣れなくていいよ。どうせ自分じゃ出来ないから」
「あら。教えてあげるわよ? と言うか、その様子だと化粧品もほとんど持っていないわね?」
はるかさんに言われて頷いた。
「基礎化粧品くらい……ですね。後はリップクリーム」
「彩菜は商店街からほとんど出ないから。いつもコンビニで化粧品選んでるくらいだよね」
「だって、朝から夕方まで仕事だもん」
言うと、はるかさんが首を傾げる。
「定休日はないの?」
あるけど……
「寝てるよね。彩菜は」
「失礼ね! 洗濯したり掃除したりご飯作ったりしてます~」
「いや。それは全員してるだろ」
磯村さんの冷静なツッコミに、ピシッと敬ちゃんを指差す。
「敬ちゃんはしてません! 土日にはカメラもってブラブラしてます!」
「彩菜みたいに、寝てるよりいいでしょ」
「寝てないもんね! これからは」
出掛けて、買い物して、綺麗になって、
「彼氏作るもん! 敬ちゃんより、ずっといい男の人見つけるもんね!」
言うと、敬ちゃんがムッとした顔をした。
「なにその基準」
「うるさいなぁ」
「……そう?」
「そうだよ、さっきから敬ちゃんはカミナリ親父みたいじゃないか。いちいち敬ちゃんに言われる意味わかんないもんねー」
「へぇえ~?」
何よ。どうして敬ちゃんが不満そうな顔をするのよ。
「あら。いいの?」
視線の先には、きっと敬ちゃんがいるんだろうけど、
「いいんです。どうせ喧嘩になりますから」
「仲がいいのね」
「幼馴染みですから」
眉を潜めたままとして言うと、磯村さんがニヤニヤしながらビールとチューハイの缶を持ってくる。
「あんた大変だな」
「…………え」
なんだろう? どういう意味だろう?
何も大変じゃないですよ?
「で、どっちがいい?」
ビールとチューハイ。
ビールは何となく苦いのは知ってるけど、チューハイにはレモンのイラストが見えるし……
「どっちがいいでしょう」
「おー……初飲みか?」
「ビールは昔、親父様に飲まされた記憶がありますから、二度目?」
「じゃ、チューハイだな」
渡されて、レモンのイラストをまじまじと見つめる。
酸っぱいのかな。
「……ありがとうございます」
深々と頭を下げると、どうしたことか吹き出された。
「大変なのはお互い様か」
……磯村さんは謎の人だね。
そんな感じで飲み会は始まった。
始まってみると、なんとも不思議な感じで、何故か話の中心にいることが多かった。
これって確か婚約祝いだから、話の中心になるのは磯村さんと華子さんじゃないのかな?
不思議そうにしていたら、しばらくして敬ちゃんが近づいてきた。
「んー。やっぱり慣れない」
しみじみ顔を見ながら言わないで欲しいな。
「別に慣れなくていいよ。どうせ自分じゃ出来ないから」
「あら。教えてあげるわよ? と言うか、その様子だと化粧品もほとんど持っていないわね?」
はるかさんに言われて頷いた。
「基礎化粧品くらい……ですね。後はリップクリーム」
「彩菜は商店街からほとんど出ないから。いつもコンビニで化粧品選んでるくらいだよね」
「だって、朝から夕方まで仕事だもん」
言うと、はるかさんが首を傾げる。
「定休日はないの?」
あるけど……
「寝てるよね。彩菜は」
「失礼ね! 洗濯したり掃除したりご飯作ったりしてます~」
「いや。それは全員してるだろ」
磯村さんの冷静なツッコミに、ピシッと敬ちゃんを指差す。
「敬ちゃんはしてません! 土日にはカメラもってブラブラしてます!」
「彩菜みたいに、寝てるよりいいでしょ」
「寝てないもんね! これからは」
出掛けて、買い物して、綺麗になって、
「彼氏作るもん! 敬ちゃんより、ずっといい男の人見つけるもんね!」
言うと、敬ちゃんがムッとした顔をした。
「なにその基準」
「うるさいなぁ」
「……そう?」
「そうだよ、さっきから敬ちゃんはカミナリ親父みたいじゃないか。いちいち敬ちゃんに言われる意味わかんないもんねー」
「へぇえ~?」
何よ。どうして敬ちゃんが不満そうな顔をするのよ。