小路に咲いた小さな花
黒を基調にしたキラキララメピンクの蝶々が印象的なその箱。
極薄とか書かれたその箱を、じっと見る敬ちゃんの顔が無表情。
「悪ノリされたね。ごめん彩菜」
「ご、ごめんて……あの、何て言ったらいいか……」
私だって解るよ!
その箱に何が入っているか!
どーした意味合いか!
って言うか、明るい家族計画すれってことなの?
しかも、真面目な顔して改めて謝るとかやめてー!
「あからさまだな、そりゃ」
親父様が咳き込んで、お茶を引ったくるとゴクゴク飲み干す。
飲み干してから一息つくと、ぶはっとまた吹き出して、お腹を抱えて笑いだした。
「親父様! 笑い事じゃない!」
「いやぁ、いっそ笑い事だろうよ。ここまであからさまにされてコレを使う勇気は俺にはないな」
「そしらぬ顔で返すのも手段だけど。まぁ、これはこれで井ノ原さんにあげます」
箱を紙袋に入れ直し、ぐいぐい押し付ける敬ちゃんに親父様が苦笑する。
「なんで俺に」
「若い二人が持ってるより、井ノ原さんに取り上げられたって方が収まりがいいでしょ」
「若いつもりか?」
「井ノ原さんよりね。ところで彩菜」
「は、はい?」
「コレと、食べ物の他に、何かもらった?」
えーと……確か、
「衣料品店のおばさんが、白い箱をくれた……」
けど、
「あー……あの人か。開けない方がいいかな。なに入っているか想像すると楽しいけど」
解らないようで解っている中身。
大きさ的にパジャマってことはないだろうし、まさかハンカチはあり得ないでしょ?
なんたって初ブラをくれたおばさんだもの、この流れからすると、初勝負下着くらいプレゼントされそう。
どんなのくれたのかな。
勝負下着って話には聞くけど、実際はどんな?
色は白? いや、派手なら赤とか選ばれそう?
セクシー系なら、黒か紫色かもしれない。
確か、初ブラは白地にピンクの刺繍が可愛いブラだったよね。
「……開けるつもりなら、後でこっそり開けてよ?」
敬ちゃんの呟きに眉を上げた。
「なんで?」
「なんでって……」
ムッとした顔で、敬ちゃんに睨まれる。
「意識しろって言っただろう」
「し、してないわけないじゃない」
「どうだか。毎朝キスしても動じないくせに」
「そんなもの、日課になっちゃってるじゃないか!」
「じゃ、直接するから。顔寄越せ」
「何いきなりガラ悪くなってるの」
だいたい、寄越せと言われて差し出す人はいないでしょうが!
少し考えたら解るでしょうが!
それに、私だって目の前で開けようとは思ってなかったよ。
どんなかなーとは思ったけど。
「彩菜の鈍感」
「何よ敬ちゃんだって鈍感じゃないか」
「お前ら……子供の喧嘩か」
親父様の冷たい視線に、お互い顔を合わせてからそっぽを向いた。
極薄とか書かれたその箱を、じっと見る敬ちゃんの顔が無表情。
「悪ノリされたね。ごめん彩菜」
「ご、ごめんて……あの、何て言ったらいいか……」
私だって解るよ!
その箱に何が入っているか!
どーした意味合いか!
って言うか、明るい家族計画すれってことなの?
しかも、真面目な顔して改めて謝るとかやめてー!
「あからさまだな、そりゃ」
親父様が咳き込んで、お茶を引ったくるとゴクゴク飲み干す。
飲み干してから一息つくと、ぶはっとまた吹き出して、お腹を抱えて笑いだした。
「親父様! 笑い事じゃない!」
「いやぁ、いっそ笑い事だろうよ。ここまであからさまにされてコレを使う勇気は俺にはないな」
「そしらぬ顔で返すのも手段だけど。まぁ、これはこれで井ノ原さんにあげます」
箱を紙袋に入れ直し、ぐいぐい押し付ける敬ちゃんに親父様が苦笑する。
「なんで俺に」
「若い二人が持ってるより、井ノ原さんに取り上げられたって方が収まりがいいでしょ」
「若いつもりか?」
「井ノ原さんよりね。ところで彩菜」
「は、はい?」
「コレと、食べ物の他に、何かもらった?」
えーと……確か、
「衣料品店のおばさんが、白い箱をくれた……」
けど、
「あー……あの人か。開けない方がいいかな。なに入っているか想像すると楽しいけど」
解らないようで解っている中身。
大きさ的にパジャマってことはないだろうし、まさかハンカチはあり得ないでしょ?
なんたって初ブラをくれたおばさんだもの、この流れからすると、初勝負下着くらいプレゼントされそう。
どんなのくれたのかな。
勝負下着って話には聞くけど、実際はどんな?
色は白? いや、派手なら赤とか選ばれそう?
セクシー系なら、黒か紫色かもしれない。
確か、初ブラは白地にピンクの刺繍が可愛いブラだったよね。
「……開けるつもりなら、後でこっそり開けてよ?」
敬ちゃんの呟きに眉を上げた。
「なんで?」
「なんでって……」
ムッとした顔で、敬ちゃんに睨まれる。
「意識しろって言っただろう」
「し、してないわけないじゃない」
「どうだか。毎朝キスしても動じないくせに」
「そんなもの、日課になっちゃってるじゃないか!」
「じゃ、直接するから。顔寄越せ」
「何いきなりガラ悪くなってるの」
だいたい、寄越せと言われて差し出す人はいないでしょうが!
少し考えたら解るでしょうが!
それに、私だって目の前で開けようとは思ってなかったよ。
どんなかなーとは思ったけど。
「彩菜の鈍感」
「何よ敬ちゃんだって鈍感じゃないか」
「お前ら……子供の喧嘩か」
親父様の冷たい視線に、お互い顔を合わせてからそっぽを向いた。