小路に咲いた小さな花
近所のカフェとか、定食屋とか、ラーメン屋さんなら、ちょくちょく誘われているけど。
……敬ちゃんて、実は食い道楽だよね。
「そう言えば……」
呟くと、敬ちゃんが不思議そうに私を見下ろして視線が合った。
「今日の午前中、お店に来たって聞いたんだけど。どうしたの?」
「ああ。えっと……営業に同行して、近くまで来たから。ちょっと彩菜がいるかなって覗いただけ」
「ふぅん」
敬ちゃんのお仕事してる姿が思い浮かばないけど、ちゃんと出来てるのかな。
営業の人とお仕事中に、商店街で何をしてたかは疑問だけど。
「お仕事楽しい?」
「そーだねー。楽しいの半分、大変なの半分……かな。でも、好きなことだしね」
そうだなぁ。私も花に囲まれているのは好きだけど、楽しい事ばかりじゃないものね。
……たまにお葬式の花を頼まれたりすると、知らない人でも悲しい気分になる。
「敬ちゃんは長生きしてね」
「ええ? 何、突然。俺って早死にしそう?」
びっくりされて思わず笑った。
「早死にしそうになくても。長生きしてよー」
「う、うん。解った」
「食生活が問題だよね。敬ちゃんてなんでいつも家でご飯食べないの?」
気がつけば、いつも定食屋さんにいるよね。
「あー……うん。いつもだいたい仕事で遅いから、用意されてない事が多いんだよね。それ以外にも、飲み会行ったりしてるし」
ああ。そうなんだ。
そうだなぁ、古本屋のママさんは、とても合理的だから。
コンビニの明るい光に目を細め、それからまた無言で自動ドアを通り抜ける。
まぁ、親父様がいなかったら、私も自分のうちでご飯作らないしな。
ご飯一人分って作るのは、さすがに少し不経済だし。
二人分も、なかなか不経済ではあるけど、作りすぎちゃったらお裾分けできるし。
「そう言えば、この間の煮物美味しかった」
「え?」
「この間、うちに煮物届けてくれたでしょ?」
ああ。そんなこともあったかな。
ママさんが、ジャガイモをお裾分けしてくれたから、お返しに煮付けた煮物をお裾分けした記憶がある。
「いいお嫁さんになるね」
……たまに、この笑顔にイラッとする私はひねくれているのかな。
「えー。そうかな」
「うん。早くいい人が現れるといいね」
やっぱりイラッとする私は、正直者なのかもしれない。
……敬ちゃんて、実は食い道楽だよね。
「そう言えば……」
呟くと、敬ちゃんが不思議そうに私を見下ろして視線が合った。
「今日の午前中、お店に来たって聞いたんだけど。どうしたの?」
「ああ。えっと……営業に同行して、近くまで来たから。ちょっと彩菜がいるかなって覗いただけ」
「ふぅん」
敬ちゃんのお仕事してる姿が思い浮かばないけど、ちゃんと出来てるのかな。
営業の人とお仕事中に、商店街で何をしてたかは疑問だけど。
「お仕事楽しい?」
「そーだねー。楽しいの半分、大変なの半分……かな。でも、好きなことだしね」
そうだなぁ。私も花に囲まれているのは好きだけど、楽しい事ばかりじゃないものね。
……たまにお葬式の花を頼まれたりすると、知らない人でも悲しい気分になる。
「敬ちゃんは長生きしてね」
「ええ? 何、突然。俺って早死にしそう?」
びっくりされて思わず笑った。
「早死にしそうになくても。長生きしてよー」
「う、うん。解った」
「食生活が問題だよね。敬ちゃんてなんでいつも家でご飯食べないの?」
気がつけば、いつも定食屋さんにいるよね。
「あー……うん。いつもだいたい仕事で遅いから、用意されてない事が多いんだよね。それ以外にも、飲み会行ったりしてるし」
ああ。そうなんだ。
そうだなぁ、古本屋のママさんは、とても合理的だから。
コンビニの明るい光に目を細め、それからまた無言で自動ドアを通り抜ける。
まぁ、親父様がいなかったら、私も自分のうちでご飯作らないしな。
ご飯一人分って作るのは、さすがに少し不経済だし。
二人分も、なかなか不経済ではあるけど、作りすぎちゃったらお裾分けできるし。
「そう言えば、この間の煮物美味しかった」
「え?」
「この間、うちに煮物届けてくれたでしょ?」
ああ。そんなこともあったかな。
ママさんが、ジャガイモをお裾分けしてくれたから、お返しに煮付けた煮物をお裾分けした記憶がある。
「いいお嫁さんになるね」
……たまに、この笑顔にイラッとする私はひねくれているのかな。
「えー。そうかな」
「うん。早くいい人が現れるといいね」
やっぱりイラッとする私は、正直者なのかもしれない。