【短】桜、ひらひら。 − bitter −
「まぁ、苦手でも楽しめればいいと思うし、気楽にやればいいじゃん!」
「…うーん……。」
「そのうち、好きになるかもしれねーしさ!」
蓮君はいつもの明るい笑顔を見せる。
「そうだね。」
「だろっ!?
俺、今良いこと言った!!」
蓮君が満足気に笑うから、それが可笑しくてあたしまで笑ってしまう。
それからしばらく、蓮君とたわいもない話を続けていると、あっという間に学校に着いてしまった。
「おーい!蓮、おはよ!!」
「おう!おはよっ!!」
学校の下駄箱の近くにいた男子から、すぐに蓮君が声をかけられる。
「そんじゃ、またな麻衣子!」
「…あっ、うん。」
男子と軽く立ち話をした後に、蓮君はその男子と一緒に、教室へと向かって行った。
蓮君が居なくなった途端に、急に寂しくなる。