【短】桜、ひらひら。 − bitter −
ー昼休み
購買でパンと飲み物を買い教室に戻ろうとした時、廊下の片隅で上級生の女子と話している蓮君の姿を見つけた。
蓮君は上級生からも人気があるから、先輩と話していても不思議じゃない。
なのに…
蓮君と先輩が二人で話しているのを見て、勝手に傷ついてるなんて馬鹿みたい。
その場を立ち去ろうとした時、蓮君の言葉が耳に届いて足が止まる。
「俺と……付き合ってほしい。」
先輩に告白する蓮君は、今まで見たことがないような真剣な表情だった。
「……うん。
私もずっと、蓮が好きだったよ……。」
先輩は頬を赤く染めながら小さく頷く。
「……ありがとう。
やべぇ、本当に嬉しい……!!」
蓮君は照れ臭そうに笑ってから、先輩にキスをした。