あたしと彼女と彼の事情

『疲れたーーーー』



半ば強制的に連行された

優くん達は飽きが早かった。



「ほんと、ごめんね。笑」



心からそう思う。



『羽山ってYUMMYと仲良いの?』



YUMMYとは読モ仲間のことだ。

彼女はモデルのみならず

CM、ドラマに引っ張りダコだ。

あたしとは格がまるで違う。



『よく一緒に写ってんじゃん!』


「仲悪くはないかなー」


『なにそれ?笑』


「現場でしかほぼ合わないけどね」


『番号とか知ってんの?』


「あ、それは知ってる」


『すっげーよなー!』




こういう質問は慣れている。




『生KAOさんと勉強してるよ!笑』




おこ以外とあまり行動を共にしないあたしは

たまにはこんな事も楽しかったりする。

おこを通して話すようになった子も

随分と沢山いる。




『このメンバーでグルチャしねぇ?』




優くんが言った。




おこが”どうする?”みたいな表情だ。




「あ!後でおこに招待してもらうよ!」




そう言ってこの場を切り抜けた。
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