あたしと彼女と彼の事情

グラウンドに目をやると

クラブ活動をしている。



こんな時やっぱり

目で追ってしまうのは礼のいるサッカー部だ。



背は少し大きくなった気がする。

短くて黒い髪。

細くて長い指。

笑うとポコっと出来るエクボ。




どんなに遠くからでも

あたしはすぐに礼を見つけられる。

これだけは相当な自信がある。




だから時には

見えなくていいものまで

みえてしまうんだ。



女子マネージャーがスコアボートを書いている。

ただそれだけの事が

無性に羨ましかったりする。
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