あたしと彼女と彼の事情
『YUMMY表紙いっちめーん!』
ある昼休み
愛ちゃんが大声でそう言った。
『ねえねえ、かお!
このアクセって販売なったりするの?』
「ネット予約とか始まってるみたいだよ!」
『まじ?買わなきゃ!
YUMMYと同じピンクがいい!』
愛ちゃんは流行に敏感だ。
『え?かおがピンクつけてんの~』
「YUMMYはネイビーかも。笑」
直接大打撃をくらうような攻撃はない。
イジメともちがう。
愛ちゃんはクラスの中心だ。
自分より目立つものは制圧する。
多分そんな感覚なんだと思う。
周りからは仲良さげに見えるかもしれない。
でも毎回毒を刺された気分だ。