♀乙女座と吸血奇術師♂②
~ヴァルゴトマジカルヴァンパイア②~
「こ、このスケベ男子共めぇ~っ!」
だが、春子を心配する礼士以外で、たった一人、真面目な表情を保っている人物がいた。
中川猛であった。
中川猛は、メガネを中指でクイッ、と押し上げながら、静かに話し始めた。
「…では早速、奇術同好会を見事消し去る、もとい、観客の一人が指定したトランプのカードを見事消し去るマジックを、我々にご披露頂けますかな?
松永春子さん!」
その言葉に反応した、観客の男子達が、にわかに盛り上がりを見せ始めた。
「いよっ、待ってましたっ!」
「ボディチェックは、俺達にバッチリ任せて安心してマジックやっとくれ、松永!」
「あ…安心できるかっ!
…コホン!で、では、今より奇術同好会のメンバーである、私、松永春子が皆様にお目にかけます、トランプのカード消失マジック。
どうぞ大いに、驚き下さいませ。
…今、私の右手にハートのJ、Q、K、そしてAが握られています。
さて、この四枚のカードの内、一枚を皆様の前で消し去りたいと思いますが、ええと、それではそこに立っている彼女に選んで頂きたいと思い…」
「ちょっと待った!確か、彼女は松永さんと、いつも一緒の仲良しさんの清水ゆう子嬢ではございませんか?
…な~んか、怪しいなあ。
いえ、ね。無いかとは思いますが、サクラ(マジックの協力者)だったら、どうしようかな~なんて、思っちゃってるわけです。
疑い深くて、失礼、失礼。
もしよろしければ、私にカード、指定させてもらえませんかな?」
だが、春子を心配する礼士以外で、たった一人、真面目な表情を保っている人物がいた。
中川猛であった。
中川猛は、メガネを中指でクイッ、と押し上げながら、静かに話し始めた。
「…では早速、奇術同好会を見事消し去る、もとい、観客の一人が指定したトランプのカードを見事消し去るマジックを、我々にご披露頂けますかな?
松永春子さん!」
その言葉に反応した、観客の男子達が、にわかに盛り上がりを見せ始めた。
「いよっ、待ってましたっ!」
「ボディチェックは、俺達にバッチリ任せて安心してマジックやっとくれ、松永!」
「あ…安心できるかっ!
…コホン!で、では、今より奇術同好会のメンバーである、私、松永春子が皆様にお目にかけます、トランプのカード消失マジック。
どうぞ大いに、驚き下さいませ。
…今、私の右手にハートのJ、Q、K、そしてAが握られています。
さて、この四枚のカードの内、一枚を皆様の前で消し去りたいと思いますが、ええと、それではそこに立っている彼女に選んで頂きたいと思い…」
「ちょっと待った!確か、彼女は松永さんと、いつも一緒の仲良しさんの清水ゆう子嬢ではございませんか?
…な~んか、怪しいなあ。
いえ、ね。無いかとは思いますが、サクラ(マジックの協力者)だったら、どうしようかな~なんて、思っちゃってるわけです。
疑い深くて、失礼、失礼。
もしよろしければ、私にカード、指定させてもらえませんかな?」