♀乙女座と吸血奇術師♂② ~ヴァルゴトマジカルヴァンパイア②~
「…で、ね?ここに呼んだ訳はね?




…受けてくれますか、私のホームパーティーの招待を。」

「あ、あの…お、俺…」




「俺…さあ?」

「…解ってた。」

「えっ!?」

「…そりゃあ、そうよね。

こんな、触れ合う人に不幸をまき散らす様な気味の悪い女、別れたい、っていつかは思うよね。

…最近ずっと、様子が変だったから。

でも、その事について聞く勇気も持てずに今日まで引きずっちゃったけれど。

…だから、今日、答えが欲しくて、私の家じゃなく、まずここに呼んじゃった。

…良いよ。どんな答えでも私、覚悟出来てます。」

そこまで言うと、華江は切なげな眼差しを修二に向けて、修二から語られる答えをじっと待った。

それを受けて、修二はキュンと、心が痛んだ。

-ほ、本当に俺はこの子を今から不幸にするのか?

そんな資格があるのか?

こんなに…こんなにも優しすぎる天使みたいな子を傷つける資格が俺に…-

修二は、悲しみをたたえた華江の眼差しを直視する事は出来なかった。

力一杯握り締められた、右手の中のメモ書き。

わなわなと震える、自分の、身体。

-…で、でも今日の今日まで、この子をはめるために九ヶ月もの期間をかけて恵美子と…

俺は、元々恵美子の事が好きで、この計画の手助けを…

でも、この子を慰めるフリをしている内に、この子の存在が俺の中で…-




今、ヴァンパイア礼士と春子が仕掛けた、1%の賭け-

そのホームパーティーのメモ書きの内容とは一体?

そして心の中の葛藤に悩む修二と、じっと修二の答えを待つ華江の前に、突如として誰かが乱入してきた。
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