♀乙女座と吸血奇術師♂② ~ヴァルゴトマジカルヴァンパイア②~
「あのねえ、女の子ってのは、ヒック!

つ、翼を持ってる生き物なのよ。

な、何の翼か分かる~っ?

恋を求めて、羽ばたいていく、翼。

す、す、すっご~い速さでどこまでも飛んでいける、翼。

勿論、新幹線や、ジェット機なんかよりも。

…何時までも、はっきりしない男のもとに、その翼休める為に雨宿りなんか、しないんだから。

…ぼやぼやしてると、新しい恋求めて、飛んでっちゃうんだ・か・ら・ねっ!

しっかりしろ!好きなんだろーが!

そのメモ書きに書かれてあるレシピみて、何も感じない程、腐っちゃいないんだろーが!

だから、その子の事、『傷つける事』をためらってるんだろーが!」

「なっ…き、君は一体何者…」

「そんな事は、どうでも良いのよ!




…ここで本当に最低な奴に成り下がったら一生、そんな真心、手に入らないよ。

神様が、絶対に許さない…」

「き、君…」

その春子の言葉を聞いて、驚く秋野修二。

だが、それ以上に驚いたのはほかでもない、遠山恵美子だった。

-な、何だって?も、もしかしてあの酔っぱらい女、何故かは知らないが、私達のやろうとしている事を…

…知っている!?-

-言い過ぎだ、乙女座!

完全に今のお前…遠山恵美子にロックオンされちまったぞ!-
< 60 / 71 >

この作品をシェア

pagetop