♀乙女座と吸血奇術師♂② ~ヴァルゴトマジカルヴァンパイア②~
「あ…あなたは一体誰なの?

よ、良く分からないけれど、修二君をいじめる様な事を言わな…

…えっ!?」




-ドックン…ドックン…-




「…しゅ、修二…君!?」

今、秋野修二は、安華江の右手を取って、自分の胸に押し当てていた。

「修二君…」

「俺の心、今、すごく高鳴っているのが分るかい?

そして、今の俺の中の決心も…」

そう言って、優しい眼差しで安華江を見つめる、秋野修二。

その瞳に、瞳を潤ませる事で答える、安華江。

秋野修二は、言った。

「…メニューの内容は、ガーリックパンに、カボチャのスープ、メインディッシュにローストチキン。

俺の好きなものばかりだ。

でも、それだけじゃない。

ガーリックパンは、耳を落としトーストされた食パンの上に、刻みガーリックが、カリッカリにローストされている物が乗っている事。

そしてそこには、隠し味に少量のバージンオイルが振りかけられている。

カボチャのスープは、サラサラになるまでキッチリとこされている物。

その上には、食パンから切り落としたパンの耳を、耐熱皿でバターと一緒に軽くカリッとラスク風にした物が浮かべられている。

ローストチキンも、付け合わせが、赤色と黄色のパプリカを刻んだ物が添えられていて…これは、ピーマンはダメな俺でも、パプリカなら美味しく食べられる為。
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