不幸ネット
 わずかに空いたカーテンの隙間。

 そこから感じる強烈な視線。

 私は恐る恐るそちらへと視線を這わせていく。

「あ……ああ……」

 叫びたくても声が出ない。

 これが今までの不可解な現象の元凶……?

 わずかな隙間から覗く暗闇に浮かぶ女の首。

 そう思ったのは、頭の天辺からありえないほど長く垂れ下がった髪のせいだ。

「いやぁぁぁっ……」

 私は頭を抱えた。

「どうしたの良美さん!?」

 美樹が何事かと声を上げる。
< 151 / 228 >

この作品をシェア

pagetop