不幸ネット
「ほんとに気にしないで欲しいんだけど……」

 そう前置きして、美樹は静かに口を開いた。

「良美さん、かなり体調悪そうだったから、私駆け寄ったんだよ。そしたら急に暴れ出して……。結構激しかったもんだから、怪我しちゃいけないと思って抑えたんだけど、その時にちょっと……」

 美樹は自分の左手首に空いた手を添える。

「そんな……」

「あ、でも、気にしないで? 怪我って言っても、その時にちょっと爪が当たっただけだから。とにかく、良美さんも無事みたいだし、今はこうやって普通なんだから、結果オーライ! だよ」

 美樹はそうやって笑ってくれるけど、私はそうはいかない。
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