不幸ネット
「良美さん!」

 美樹はしっかりと私を抱きしめた。

 私は声にならない声で、嗚咽を漏らしていた。

「大丈夫。絶対に良美さんの事守るから。約束する」

 どうしてだろう。

 そんなのは気休めだと分かってるのに、こうして美樹に言われるとなぜか少しだけ気持ちが落ち着いた。

 これ以上私の様子が酷くならないと感じたのか、美樹はゆっくりと私から身を離した。

「とにかく、今は警察を信じよう? 私も、できる限り良美さんのそばにいるから」

 私は目尻に溜まった涙を指で拭うと静かにうなずいたーー
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