不幸ネット
「本当にうちに来なくて大丈夫?」

 玄関で靴を履きながら美樹は心配そうに私を見た。

「うん。さっきはちょっと取り乱しちゃったけど、ちゃんと戸締りもしてるし、何かあったらすぐ連絡するから」

 美樹は、事が落ち着くまで自分のマンションに来る事を提案してくれたけど、私はそれを丁寧に断った。

 何もしないで一日中人の部屋でだらだらとしているのも気が引けるし、どうせ日中美樹がそばにいないのなら、自分の部屋にいるのも対して変わらない。

 まだ心配そうに私の事を見ている美樹に「大丈夫だから」と念を押して、私は美樹を見送った。

 これ以上言っても無駄だと思ったのか、美樹も私に「何かあったらすぐに連絡してね?」と何度も念を押してエレベーターに乗り込んだ。

 美樹が姿を消すと、私は素早く玄関を締め施錠した事を確認してからベッドへと戻った。
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