不幸ネット
 ……ピンポーン。

 それから二日ほど経った日のお昼過ぎ。

 ちょうど久しぶりに買い物にも出ようか、と用意をしているところへ部屋のインターフォンが鳴った。

 びくっと体が一瞬強張ってしまうのはまだ事件が解決していないからで、私は少し怪訝な表情を浮かべながら応答した。

「はい」

 モニターに映っていたのは私と同年代ぐらいの女の人だった。

「こんにちは。私はT署の綾目って刑事なんだけど。ちょっと上沼さんの件で確認したい事があるから、開けてもらっていいかしら?」

 刑事?

 不愛想な表情にぶっきらぼうな物言い。

 私はこの女が本当に警察なのか怪しく思い返事に詰まった。

 そんな私の思いが伝わったのか、綾目と名乗った刑事はモニターに押し付けるようにして警察手帳を私に示した。
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