不幸ネット
「え、ちょっ……何なんですか急に?」

 突然の事に私は気が動転してしまい、上手く言葉が出てこない。

 しどろもどろしていると、数人が室内へと上がり込んでいった。

「大丈夫、無茶な事はしないから。ちょっと長い時間付き合ってもらう事になるけど、我慢してね?」

 相変わらず不愛想にそう残すと、綾目も室内へと向かう。

 私は呆然としたままその様子を目で追う事しかできなかった。

 各場所に散って戸棚やチェスト、クローゼットなどが次々と開かれていく。

 何、これ……

 どうして今自分がこんな状況に置かれているのか理解できなかった。

 家宅捜索?

 どうして?

 よく分からない専門用語が飛び交う中、私の頭はますます混乱してくる。
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