不幸ネット
 あくまで私が犯人だと気が済まないらしい。

「それはどういう意味でしょうか? 私は何も……」

「じゃあ、誰がやったっていうのよ?」

 私の言葉を制して上沼はやれやれと溜息をついた。

「どうせすぐに分かる事よ。言い出しにくいのは分かるけど、かと言って黙ってちゃ話も前に進まないわ」

 何で犯人でもないのにここまで言われないといけないのか。

 私は怒りと悲しさで涙が出そうになった。

「ですから、私は何も知りません」

 言葉の勢いで出かかった涙をぐっと飲み込む。

「あらそう」

 上沼は額に手を当てながらわざとらしく息を吐いた。

「まあどうせ、あれこれ探ったところで出てきやしないわよね。白を切るつもりなら、そんな分かりやすいところに隠しておくはずもないし」
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