不幸ネット
「もし……もし……?」

 恐る恐る声を絞り出す。

 以前と同様、相手は何も答えなかった。

「……もうやめてよ、あなた一体何なの!? どうして私にばっかりこんな……」

 感情が爆発する寸前。

 電話の向こうからは聞いた事のある音が流れてきた。

 ポーン、と少し高めの機械音。

 それが断続的に続いている。

 これは……

 深夜に民法の放送が終了した時に映る、カラフルな縦じまの映像とともに流れてくる音。

「何……なのよ……」

 私の目には涙が浮かんでいた。

 電話口の相手はこんなものを聞かせて、一体私をどうしようというのか。

 意味不明過ぎて頭が追いついてこない。
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