手のひらサイズ
目が覚めると、竜樹の腕の中だった。
「おはよう。」頭を撫でられる。
「ひとみ…。お前を知ってたっていったろ?俺さ。お前の兄貴とは大学で
仲間だったんだ。時々、家に遊びに行くと、制服を着た瞳がいて…。
「妹?」って聞いたんだ。
そしたら、一馬がさ。
「妹には、手をだすな!」って言われて
その頃の俺さ。女取っ替え引っ替えな
チャラ男だったから。
信用無しで。でも、本気だった。
一目惚れだった。
だから…。俺、変わったんだ。
1人だけを愛したいって。
ずっとここに居たんだ。ひとみが。
だから。胸に手を当てる彼。
やっと手に入れたよ。優しく笑う。
「好きでいてくれてありがとう。」
「お兄ちゃんにも会って今度。ね?」
「殴られそうだな…。一馬のヤツ
瞳を溺愛してっから。」

「そんな事〜ないよ!口悪いし、意地悪だし、いっぱい虐められだんだよ!」

「照れ隠しだよ!!」
「竜樹?すき…。」
「瞳…。ダメだ。煽るなよ。我慢出来なくなるだろ!」
「えっ?ヤダ?あっ!」

「朝ごはん…。瞳にした。」

「や〜ん」朝食終了。
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