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支持された
書類を作成していたら、
祐希ちゃんの内線が鳴り

「瞳ちゃん。例の店長来てるって」
「専務に連絡するね。」

「専務。**店の店長が来ています。」
「わかった。通してくれ!」

無言で祐希ちゃんの合図。
コクンと頷き、
「専務がお会いになるそうです。」

5分程して、ノックする音。

「お待たせしました。中へ。」

「失礼するよ。」

なんだろう。上から目線敵な視線。
抜けない怠慢な態度。
幹部の頃の人となりが見えた気がした。



「失礼するよ。山田です。専務、
ご無沙汰だったね。だいぶ、強気の
仕事ぶりらしいね。ふっ」

「いえいえ。まだまだこれからですよ。
山田さんにお褒め頂き光栄です。」

至って冷静な専務。


「失礼致します。」
私は、お茶をさしだした。


「ほう〜。君かね。取引先の男性社員を
狂わせて、ストーカーにさせたのは?」


「えっ……。私は、そんな言葉に
あの時の恐怖が…。」ガタガタと
手が震えてしまいお茶をこぼしそうに
なった。

「大人しそうな顔して、なかなかだね。
アレも、うまいのかね?私も、お願いしたいね。ハハハ!」

酷い侮辱。その場に立ち尽くしてた。

ガッン!バンッ!ガチャン!

「山田!それ以上彼女を侮辱することは
俺が許さない!」
「ほう〜。専務が暴力ですか!」

バタンとドアが勢いよく開き
サービスの笠井部長だった。

「専務。遅くなりました。はぁはぁ。」
急いで来てくれたんだろう。
呼吸が乱れる。


差し出された分厚い書類。


所々付箋がされていた。

「付箋部分から見てください。」

専務は、一つ一つ丁寧に目を通す。
明らかに、強張った顔。
多分、怒り以外にないと…。


「山田!お前のやったことをここで
確認させてもらう。」
テーブルに置かれた書類。

「こ、こ、これは…。」




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