モバイバル・コード
──『リリリリリリリ』
内線なのだろう。所長室に電話のコール音が響き渡る。
真田署長がソファから立ちあがり、L字デスクへ向かう。
「……はい、はい。ええ、やはり……ええ、分かりました。いますよ。では20分後にこちらへ来てください」
どうなんだ、どうなったんだ?
風邪を引いたかもしれない。少し頭が痛い。
受話器を置き、デスクの後ろの景色を見ながら、ゆっくりとした口調で答えた。
あの日の応接間の慶兄と似ている……その行動に少し懐かしさを覚えた。
「残念なお知らせです。『出張』というのは本当です。今、特別情報省の政務官の方から連絡が来ました」
「そんな……それじゃあ動画は……? オレ達、見たんです。『モバイバル』ってサイトも今接続しています」
雷也がさっきから携帯で調べているのは見えていた。
「ええ、そのサイトの事は調べています。私達、警察も国の役人ですからね」
「急にこのサイトにアクセスをしたら、オレ達が『モバイバル本戦』へ出場するとかなんとか…。
すいません、とにかく動画が流れてきたんです。動画の最後に、『モバイバル』の本戦のことは他言するなとか色々書いてあって……」
言葉が上手く出ないが、オレは必死に説明をした。
突然、部屋の空気が変わった気がした。
「それは大変だ!!」
内線なのだろう。所長室に電話のコール音が響き渡る。
真田署長がソファから立ちあがり、L字デスクへ向かう。
「……はい、はい。ええ、やはり……ええ、分かりました。いますよ。では20分後にこちらへ来てください」
どうなんだ、どうなったんだ?
風邪を引いたかもしれない。少し頭が痛い。
受話器を置き、デスクの後ろの景色を見ながら、ゆっくりとした口調で答えた。
あの日の応接間の慶兄と似ている……その行動に少し懐かしさを覚えた。
「残念なお知らせです。『出張』というのは本当です。今、特別情報省の政務官の方から連絡が来ました」
「そんな……それじゃあ動画は……? オレ達、見たんです。『モバイバル』ってサイトも今接続しています」
雷也がさっきから携帯で調べているのは見えていた。
「ええ、そのサイトの事は調べています。私達、警察も国の役人ですからね」
「急にこのサイトにアクセスをしたら、オレ達が『モバイバル本戦』へ出場するとかなんとか…。
すいません、とにかく動画が流れてきたんです。動画の最後に、『モバイバル』の本戦のことは他言するなとか色々書いてあって……」
言葉が上手く出ないが、オレは必死に説明をした。
突然、部屋の空気が変わった気がした。
「それは大変だ!!」