モバイバル・コード
 真田署長は窓のブラインドを閉め、椅子に腰掛けてL字机に両肘をつける。


「……だから、『出張』だと言っているでしょう」


 逆光気味だった光が遮断され、真田署長の冷たい瞳のその奥まではっきりと見えた。


「ど、どこだよ……どこに行ったんだよ!!」


 意識が朦朧とする、もう10秒と保っていられない。


「『行き先』は知っていますよ」




──聞くな龍一




「どこ……だ……」




──『天国か地獄』
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