モバイバル・コード
 オレは自分の携帯電話の電源ボタンに指をかけた。


「龍ちゃんやめておいた方がいい。アイツらが遊んでいるとは僕は思えないよ。

これが全部『嘘話』なら逆に願ったり叶ったりだ。だけど、真実だったら取り返しがつかないことになる。兄貴を失って、その上で親友を失えと言っているのかい?」


 雷也はパソコンの画面をサっと消してオレの方に身体を向けた。


「わかってる。とりあえず参加するしかないとオレも思ってる。慶兄のカタキを取る為にも、参加をして暴けるところまで暴いてやる。オレは奴らを許してないからな」


 二人にも同意して欲しい。


「もちろんだよ、あたしも許せない! 理由はどうあれ、人殺しじゃん。携帯ばっかりやってるって言われても、あたしは勉強もちゃんとしてるもん」


 愛梨はこう見えても成績はいい。


「今は……まだ何も情報がないから、『本戦』対策の打ちようもないよ」


「そうだな。確かに連絡も来ないうちじゃどうしようも……」



──『ブブブーンブブブーン』


 机の上に置いていたオレの携帯が振動した。


 「誰だ……?」


 オレの番号を知っているの愛梨と雷也がここにいるから、コレは……。 


 オレは画面を恐る恐る覗いた。


 電話番号じゃない、『モバイバル』のメッセージ機能だ。




──『モバイバル管理事務局より』




 悪魔のメッセージが遂に届いた。
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