モバイバル・コード
「なんだ、こいつ……。色々訳の分からない事言ってるけど」


「……待って、今色々と紙に書いて整理してる」


 雷也の表情が真剣そのものだ。


 そうだ…オレ達の生死にも関わってるんだ。くだらないメッセージに笑ってる場合じゃない。


「なぁ愛梨、コイツのメッセージどういう意味か分かる?」


「んっ? しーらない」



──『パシャッ』


 愛梨が着ていた赤いセーターの首元を広げて『中身』を撮影していた。


「バッバカ!! お前何してるんだよ、こんな時に」


「なにって、セクシー攻撃。龍ちゃんも見たい?? あたしの胸写メ」


 オレにウインクをしながら携帯を向けてくる。


「バカ、んなもんいらねぇよ、セクシー攻撃ってなんだよ」


「ブラジャーまでしか見せないもん。さっきの男から情報を聞き出すの。それに、他の参加者にも写メ添付してその気にさせちゃおうっと」


 愛梨はさっきのエロ男に、プレゼント付きメッセージをした。


 少し見えた文字、それには『Eカップなんだよ』と自己申告のお知らせだ。


 えっ……そんなにあったの?


 バカ、龍一、今は想像するな。
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