モバイバル・コード
「次に、じゃあ『どの順位とどの順位が仲間なのか』を調べようと思った。愛梨と龍ちゃんにメッセージを送らせたのはその為だよ」


「ああ、それもさっき話してたな。だけど、どうして1回目は返事が来ないって分かったんだ?」


「決まってるよ。みんなビビってる。生死を賭けた戦いに巻き込まれたくない、死にたくないって気持ちで必死だ。一部の『例外』は笑ってたかもしれないけど」


 雷也の表情に少し翳(かげ)りが出はじめた。


 例外、つまり最後の3通を送ってきたチームの奴らか。


 愛梨が少し驚いた表情をした。雷也の洞察力に感心しているのだろう。


「……となると、多少は驚かせる必要がある。それで、もしかしたら僕達が1位、2位、3位の順番だから他のチーム番号もそうじゃないかと思った。

初めに二人に送ってもらったのは各「チーム」の最初の番号。つまりは4、7、10といった3つ飛ばしだ」


 雷也の言っていることは分かる。まず、こちらから挨拶をして、先手を打ちながらも様子を見たわけだ。


「次に、初めに送信した順位に一つ数字を足した順位の人達に、『ブラフ』をかけた。『3人で1チームなのは知ってますよ』と」


「つまりはこの作業が『炙り出し』ってことだろ?」


 ここで『ブラフ』をかけるという行動。


 展開が速い気がするが、ルール説明がされてからこちらはすぐに行動している。


 きっと、仲間内で連絡を取り合って相談するのを防ぐ為なのだろう。



 雷也の頭の回転をなめていたと自分でも思う。
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