モバイバル・コード
 次はこっちだ、さっきの『Aビル』から南東に配置されている『Bビル』
 

 さっきの『Aビル』といい、この『Bビル』といい……高さはどれくらいか、どうしても気になった。


 今日のオレは冴えてる。これも雷也と携帯天使のおかげだ。


──『検索』

 
 そうだ、ここで検索機能を使うんだ。


 『西新宿第二大門ビル』か。オレはビルの横にあるベンチに座り、ゆっくりと携帯電話で打ち込んでいく。

 
 雷也が言うにはスペースを空けて検索をすれば引っかかりやすいとの事だ。


 あった、これで高さが分かったぞ。


 オレは携帯電話の『メモ機能』を使って、数字だけ打ち込んだ。すぐにこの『Bビル』の屋上に上がらなくては。

 
 このビルもさっきと同じような会社ビル。


 鈍く光る銀色のフロア案内版には会社名が何十も書かれている。

 
 オレは再びエレベーターのボタンを押した。


 さっきから携帯の待ち受けに出ている、この表示が嫌な気持ちにさせる。


──残り『2時間32分21秒』


 カウントダウン表示は目覚まし時計だけにしてくれ。


──『ポンッ』

 
 探索開始の合図を聞いて、エレベーターに乗る。


 今度は屋上まで直結のエレベーターだ。


 最上階も同じようなフェンスが張り巡らされていた。

 
「さぁて……」


 今度は北から辺りを見回す。さっきより低い分、多くのビルの屋上が見えた。
< 262 / 835 >

この作品をシェア

pagetop