モバイバル・コード

　すぐに『地図アプリ』で現在地を詳細に確認する。


　半径200m以内に『縮尺表示』を変えた。


　さっき考えた通り、これは駅の近くのビルにガシャポンが必ず置かれているゲームだ。

　
　もし駅の近くでないとすれば、それは理不尽過ぎる。有り得ない。

　
　東口でめぼしい高いビルは3つか……『Cビル』,『Dビル』,『Eビル』



　『Cビル』は学校が入っているビルだ。専門学校とか大学とか、様々な教育機関が中に入っている。


　『Dビル』は大手家電メーカーの自社ビルだ。これも高さがある。


　『Eビル』も大手自動車メーカーの自社ビル。形に少し特徴があるが、屋上までいけるのか。


　
──残り『1時間50分』



　…。

　
　……。


　……無い。



　東口の3箇所のビルを全て廻ったが全く見当たらない。


　オレは缶ジュースを買って、駅前の花壇に腰掛けた。


　10月だというのに着ているロングTシャツが汗でびっしょりだ。


　一度落ち着こう、頭の中にもやがかかって、冷静な判断など出来ない。


　自分に自問自答するんだ、どうやったらこのビルの群れからガシャポンを探せるのか。

　
　なんとなくだが……東口には無い『予感』がした。


　これは『漠然とした直感』だが、東口には無い気がする。


　オレは生死を賭けているゲームに、オカルトな『発想』などを導入するつもりは一切無い。


　東口には無いという『直感』の『裏づけ』がオレは今欲しいんだ。



　あまり得意な方では無いが、理詰めで考えていくのが一番早い。やってみよう。