モバイバル・コード
　人間というのは不思議な物で、『直感』というのは大体合っているそうだ。


　将棋のプロは『一手』を考える時に『二手三手』先を考える。


　一流のプロ棋士が考えるその『一手』でさえ、何通りもの中から選んで考える。


　おそらく制限時間があれば『最善手』を考え付く事はみんな出来るはずだ。


　だけど、実際の対局は違う。時間が限られている。その中でもプロは出来る限りの『最善手』を出す。


　なぜ『最善手』が出せるのか？それは普段の研鑽（けんさん）の成果に裏付けされた結果が身体に染みこまれているからだ。


　何も将棋だけではない。


　野球だろうがサッカーだろうが格闘技だろうが、世の中の人間が行う全ての事象には『最善手』がある。

　
　瞬間的に人は最善手を選ぶように『直感力』という物が備わっている。


　思い出せ龍一。お前は学校の4択問題で困ったら毎回②を選択する。


　なぜか？


　高校1年間の中間、期末テストの4択問題を全教科書き表わして、②の正解率が一番高かったからだ。


　こんなくだらない発想で赤点を回避出来た事が何回あった？


　そうだ、これと一緒だ。


　東口に無いと直感で思った理由は……。



──分かった
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