モバイバル・コード
 もしあったとしたら、天国で雷也と愛梨に謝り続ける。いや、オレは地獄へ行ってもいい。

 
 では……このゲームの『何に気づく』必要があるのか?


 後30分で考えなければ…焦りが不安感を煽る。


 もう何回もビルに行っている時間は無いんだ。どうすれば……。


 これも直感だが…いや、もう正解だな。


 『モバイバル』は携帯ゲームなんかじゃない。

 
 正確には携帯ゲームもあるかもしれないが『本戦』に関しては違うはずだ。


 いかに『携帯電話を現実世界に投影させる事』が出来るのか?


 そういうゲームじゃないのか?

 
 携帯電話に詳しくないオレが、一番向いていないゲームじゃないか……。慶兄、どうすればいいんだよ……。


 タイマーが残り30分を示した。


──時刻にして午後1時30分 


──その瞬間


──『みなさーん!こんにちわー!!』



 ……なんだ?


 大音量でスピーカーから聞こえてきた。

 
 声がした方を見ると、邪魔ばかりした『モバイバル』の街宣トラックがロータリー前に集まっている。
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