モバイバル・コード
 急げ。急げ。


 とにかく急げ。いいから急げ。


 見えた!!アレだ、あの看板だ!!


「おおおおじさん、おじさん!!」


「はい、いらっしゃい、今ね、バナナがお買い……」


──『バサッ』


「いいから、いいから屋上に行かせて下さい!! この後で謝りますから、今だけ言う事聞いてください!!」


 オレの決死の訴えにあっけにとられた八百屋のおじさん。


 八百屋奥の階段を駆け上がり、屋上に、向かった。


 あった、コレだ!!


 赤いガシャポンを捻り、すぐに中のカプセルを開ける。

 
 いけない、携帯で読み取るんだった。

 
 タイマーの時刻が迫る、残りが『15秒』


 どこだ、どれだ、カメラのこれで良いんだよな!!


──『パシャッ』


 自動的にQRコードを読み込んだ携帯が、アクセスボタンを押すことを求めていた。

 
 頼む、間に合ってくれ……っ!!
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