モバイバル・コード
8章『大仕掛け』
オレ達は新宿の駅前より少しだけ外れた路地を歩いていた。
俗にいう『裏路地』という魅力的なキーワード。
右手に見えた渋そうな珈琲(コーヒー)店に入った。
──『カランカラン』
ドアベルの音が、店内に偽カップルの来店を告げた。
ほどよく人がいる店内客の視線が刺さり、目を合わせられない。
幸せそうだなという大人の眼差しと、空気を読めバカという子どもの眼差し。
そりゃあこんなに女の子が引っ付いていたら誰だって思うよな……。
「なぁ、愛梨……もういいだろ。席座ろうぜ」
「うんっ!!」
愛梨はそう言うとすっとオレの身体から離れた。
ように見えたが…。
また離れた身体がまたくっつきだす。
オレの左側に位置を変えて、またベタベタする。これも俗にいう所の『カップル座り』というやつだ。
対面で座らずに横に座る。
「あのなぁ、ご褒美だかなんだか知らないけど、雷也が黙ってないぞ…。というか、お前らしくないしやめろよ……」
愛梨は顔をあげてこちらを見た。口を少し尖らせている。
「うるさいなぁ、雷也がしろって言ってるし、あたしもしたいからやってるだけだよ。って、龍ちゃんってこういうの……嫌い?」
俗にいう『裏路地』という魅力的なキーワード。
右手に見えた渋そうな珈琲(コーヒー)店に入った。
──『カランカラン』
ドアベルの音が、店内に偽カップルの来店を告げた。
ほどよく人がいる店内客の視線が刺さり、目を合わせられない。
幸せそうだなという大人の眼差しと、空気を読めバカという子どもの眼差し。
そりゃあこんなに女の子が引っ付いていたら誰だって思うよな……。
「なぁ、愛梨……もういいだろ。席座ろうぜ」
「うんっ!!」
愛梨はそう言うとすっとオレの身体から離れた。
ように見えたが…。
また離れた身体がまたくっつきだす。
オレの左側に位置を変えて、またベタベタする。これも俗にいう所の『カップル座り』というやつだ。
対面で座らずに横に座る。
「あのなぁ、ご褒美だかなんだか知らないけど、雷也が黙ってないぞ…。というか、お前らしくないしやめろよ……」
愛梨は顔をあげてこちらを見た。口を少し尖らせている。
「うるさいなぁ、雷也がしろって言ってるし、あたしもしたいからやってるだけだよ。って、龍ちゃんってこういうの……嫌い?」