モバイバル・コード
「……んもう、うるさいなぁ……。今ステキなデートしてた夢見てたのに……。どうしたの……」


「お前は死神とデートしたいのか、見ろ、これ!!」


 愛梨は寝ぼけ眼(まなこ)をこすりながら画面を見た。


「えええっ!!!! 何コレ、何コレどういう事!? 死ぬ、あたし達死んじゃうの!? 龍ちゃんのバカ!! バカバカバカバカバカ!!」


「痛い、痛いって叩くなよ、最後に叩かれながら死ぬとかイヤだよ」



──『ブブブーンブブブーン』


──【メ ッ セ ー ジ】──
■モバイバル管理事務局より■

カウントダウンに今入った所でした。

チームリーダーのRyu1様から参加のご確認を頂きました。
以後、このような事が無い様ご注意下さい。
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 携帯が、心なしか神々(こうごう)しく見える。



「はぁはぁ……」


「助かった……」


「死ぬ、あたし達死んじゃうんだ……まだ初キスもしてないのに……」



 一人おかしい人がいる。



「おい、何言ってるんだ、ちゃんと見ろ。愛梨、カウントダウンしか読んでないだろ」


「あ、助かったんだ、良かったーーー!!」


 一気に血圧が上がって、一気に下がった。


 起き抜けに、これほどビックリする事はなかなか無いだろう。



 世界最高の目覚まし。
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